届いてほしい
2 大広間で組員に祝ってもらい、半刻ほど注しつ注されつしていると、リクオが祝い酒を片手にやってきた。 リクオに注いでもらい、しばらく酒を酌み交わした後、二人で部屋に引き上げた。 「鴆、誕生祝いだが…」 「オレはあんたが欲しい」 皆まで言い終わらぬうちに、鴆はリクオを抱きしめ、形のよい唇を塞いだ。 組員たちと飲み、リクオと飲み、いい具合に酔いが回っている。 祝いの品よりも、言葉よりも、腕の中の恋人を味わいたかった。 「今夜はオレの好きにしていいんだよな…?」 貝殻のような耳元で、欲望に掠れた声で尋ねると、白い耳はさっと赤く染まって、 それでも肩口ではっきりと頷いた。 深く唇を重ねながら羽織を落とし、帯を解いた。襦袢一枚にして寝室へと導く。 脱ぎ散らかした着物は後で誰かが衣桁に掛けておいてくれるだろう。 今は片付けている余裕すらなかった。 「あっ…」 リクオの匂いがする首筋に吸い付き、腰紐を解いて、緩んだあわせから手を差し入れて胸の飾りをつまんだ。 忙しなく身体をまさぐる性急な愛撫に、鴆の者より小さな手が慌てたように鴆の腕を掴む。 制止にもとれるその手を無視して、着物をはだけさせた。 つんと尖った乳首に吸い付き、固い腹筋に手を這わせる。 鴆が念入りに手入れした、滑らかな股間の感触を愉しんだ後、すでに半勃ちになっている分身を握った。 「あっ…あっ…」 骨ばった手で扱けば、若い雄はみるみる脈打って反り返った。 先端からとめどなく先走りがあふれ出て、茎と鴆の手を濡らす。 「あっ…鴆…っ」 固く大きくなった乳首に噛みつくと、リクオはビクンと大きく身体を震わせて精を吐き出した。 弛緩した脚を広げさせ、奥に薬液と精液をまとわせた指を潜り込ませた。 「あっ…ん」 行為に慣らされた身体は、鴆の指をすんなりと受け入れた。熱い内壁が指を包み込み、やわやわと締め付ける。 鴆はリクオの表情を窺いつつ、快楽を引き出すように指を動かした。 そしてもう一方の手で、リクオの分身を濡らしている精液を乳首や脇腹に塗りつけた。 「あっ…ぜん…もう」 「欲しいのか?なら後ろ向きな」 鴆の言葉にリクオは一瞬戸惑ったような顔をしたが、指を引き抜いてしまうと途端に物足りなくなったようで、 ためらいつつも、自ら獣の姿勢を取った。
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