アカギの長い夜 |
14
朝になって啓介はもどってくると、こう言いました。 「これで借りは返したぜ。お前の危機を助けたもんな。 拓海はこれを聞いてぎょっとしました。 「助けてくれたことにはお礼を言います。 それから拓海は自分達兄弟が生まれてから今日までの身の上話をして聞かせました。 「おまえ、そこまでされてなんで黙ってるんだよ。 拓海はあわてて、 「後生だから、それだけはやめてください。 拓海の真摯な言葉に啓介は拓海を抱き上げて空へ舞い上がり、しまいには拓海の家の前に降りました。
長い間留守にしていた戸をがらりとあけて店の中に入ると、 わけもわからないでいるうちに啓介は 「こいつらはお前のアニキ達だよ」 と言いました。 「ええ!?一体誰がこんな姿に」 拓海は困惑して足元にじゃれついているブルドッグ達をながめました。 「どうした?うれしくないのか」
それでも拓海はがんばって働き、犬達も元の姿に戻るまでそれなりに大事にして、
・・・こ、これでどうだ!」 イツキは話し終えると、魔神の反応をじっと待ちました。
魔神は一言、 「けっ」 と吐き捨てました。 「ぜんぜんエッチがねーじゃんかよ。 そういって池谷が背中を押し出したのは、3人の中ではかろうじて一番経験のある健二でした。 「お、俺ェ!?」 「って言われてもなあ・・・」 健二は頭をひねりながらも、それでも拓海を救うべく、語り始めました。
|